3月4日(金)「予防接種について」
免疫やアレルギーについて、信州大学医学部の
小林法元先生にうかがってきたシリーズは今日が最終回。
今回は「予防接種」について教えていただきました。
◆予防接種にはどのような意味があるの?
予防接種は病原体の一部や病原性を非常に弱くした病原体を
体に入れてあげることによって、体に、その病原体への
対応方法を学習させて実際に病原体が体に入ってきたときに
発症を予防するものです。
予防接種の最も重要な意義は打った本人の病気の発症を
防ぐことですが、同時に、感染の流行をブロックすることにより
社会全体を守る意味もあります。
◆社会全体を守るとは具体的にどのようなことですか?
例えば皆さんもインフルエンザワクチンを接種しても
インフルエンザに罹ってしまうという経験をしたことが
あるかもしれません。
論文での報告でもインフルエンザワクチンの予防効果は
3割から、良好な報告でも半分程度とされています。
ですが、社会全体が予防接種を受けている場合、
その社会集団に所属する高齢者のインフルエンザによる
死亡率は、およそ8割も減少することが報告されています。
◆予防接種の種類はどのようなものがありますか?
日本で受けられる予防選手の種類は近年かなり増えました。
無料で受けることができる定期接種としては、
1歳までに4種混合、インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、
結核に対するBCGワクチンがあります。
1歳以降は、麻疹風疹ワクチン、水ぼうそうワクチン、
日本脳炎ワクチン、また現在積極的な推奨は保留になっていますが
ヒトパピローマウイルスワクチンです。
また、有料の任意接種として、小さいお子さんに重症の
胃腸炎を起こすロタウイルスや世界的には
定期接種となっている国が多いB型肝炎ウイルス、
おたふくかぜに対するワクチンがあります。
特に生後半年までに多くのワクチンを接種することになりますので
スケジュールをしっかり立てていただく必要があります。
2016年3月 4日 14:00